2017年5月31日水曜日

Senior PGA選手権で見たタイミング。

2013年SeniorPGA選手権を逆転で日本人として初めてとなる男子メジャー制覇
を成し遂げたのは、井戸木鴻樹選手。

もっと多くの報道をすべき出来事と感じたが、日本のメディアは利益と
ならない報道は控える。

青木プロはじめ、室田淳、尾崎直道プロなどがChampionsツアーに挑戦し
青木功プロの9勝がダントツだが、ヨーロピアンシニアツアーで
海老原清治プロが2002年には、賞金王に輝いている。
また、その年の全英シニアオープンでは須貝昇プロが優勝する快挙。
北アイルランドで行われた同大会ではタフなコンデイションの中
完全優勝だったにも関わらず、小さく報道したのはスポーツ紙だけ
だった記憶がある。

青木プロの9勝は素晴らしいというより他ないが、現状のChampionsツアー
のレベルを見ると、日本人選手の勝利はもしかしたら今後ないかもしれない。

59歳の年齢を考えれば、今年がピークとなる可能性が高いB.ランガー選手。
2011年T.リーマン選手の賞金王を除けば、2008年から2016年まで賞金王
を不動のものとしているのがランガー選手。
Championsツアーグランドスラム、J.ニクラス氏を抜いてメジャー最多勝利更新。

ゴルフのシニアツアーに於いて他を圧倒してしまった。
今大会、最後まで優勝を争ったV.シン選手が今後どこまでその記録に
迫ることが出来るのかは未知数だが、今後は更に層が厚くなり先ずは
単独勝利を上げたい所だろう。

シン選手最大のアドバンテージは、変わらぬ飛距離。
Golf Channel解説者は、バックスイングの捻転が大きくなり
ガルシア選手と同じしなりがあると解説していたが、それは後付で
人より練習しても故障しない体幹の強さと柔軟性が可能にしているだろう。


V.シン選手のトレーニング模様
この映像が全てを物語っている。
体幹の柔らかさ、特に肩関節の柔らかさは目を見張る。

飛距離はスピードだから、動作のスピードに比例する。
そして、筋肉には速筋と遅筋がありその割合はDNAによって
決まってしまう。
そして、トレーニングによってその割合を変えることは
不可能で劇的な変化は望めない。

現在では、安価でDNA検査による遅筋と速筋の割合を知ることが可能。
エクササイズ遺伝子検査キッド

著名な脳研究者である池谷裕二氏は著書『脳はこんなに悩ましい
の中でもDNA検査について触れている。

私自身の経験からしても、速筋の割合が多いであろうゴルファーで
動作にロスがあり飛距離不足となっていれば、大幅な飛距離UP
は可能であるが、それ以外は無理である。
それでも現状の飛距離から1割上げて、その飛距離を維持するのは
努力が必要で簡単ではない。

遅筋の割合が多いゴルファーの場合、ドライバーを変更しても
スイング動作を変更しても変わらない。
ボールストライキングを良くして、ショートゲームを得意とする
他ないので、その気付きは必要だろう。

ボールストライキングを良くする方法は、スイングが安定している
必要とボールとクラブヘッドのコンタクトを正確にする必要がある。

何れにしてもそれなりの努力や練習が必要となり、継続させるには
それなりの覚悟がいる。
その他にも、練習やスイング動作以外にあまり注目されない重要な
ポイントがあるのだが、そこに気付いている指導者は多くはないだろう。

SeniorPGA選手権で優勝争いをしたB.ランガー選手とV.シン選手は
色々な意味で対照的であった。

Championsデビューしてから驚異的な速さで勝利を重ねるランガー選手。
1972年にプロ入りし、ヨーロピアンツアーを主戦場としてキャリア42勝。
スロープレーで度々槍玉に挙げられた。
パッティングがアキレス腱で、2002年Volvoマスターズを最後に
勝利から遠ざかっていた。
長尺パターでのアンカリングスタイルで、2007年にChampions初勝利以来
毎年勝利を重ね、SeniorPGA選手権で通算32勝となった。
長尺パターのまま、アンカリングしない方法でのパッティングスタイル。
ラインの読み、その読み通りにヘッドの芯でコンタクトするタッチ。
この感覚が維持できればH.アーウィン氏が持つChampionsツアー
最多勝の45勝を捉えることも不可能ではないだろう。

ランガー選手のゲームスタイルはボールストライキングの良さ
であることは間違いないだろう。
一方でV.シン選手は恵まれた体躯と飛距離を武器にした
バーディ、イーグルを狙うゲームスタイル。
両者のスイングから何が解るだろうか?!









ゴルフゲームには、潜在意識を引き出す作用がある。
車の運転同様に日頃と違う側面を見ることが出来るのが
ゴルフゲームの面白い所。

脳科学者の池谷裕二氏は、人の脳全体で意識できる領域は1割も
無いと言う。
行動経済学者のダン・アリエリー氏著書『予想どおりに不合理
を読むと、人の意思決定が環境や欲に流されているのがよく解る。


ゴルフコース18ホールを一人でPlayしたことのあるゴルファーは少ない
と思うが、一人でPlayすると思ってもみないスコアが出ることがある。
それをベストスコアとするのは気が引ける所だが、グループでPlay進行
するゴルフは同伴競技者から何かしら影響を受けている。




同期現象と呼ぶらしいが、日本人の教育は人と違う言動を取れば否定的に
捉えられ、皆に合わせるように矯正させられる。
没個性となりやすい環境で育てば、それが潜在意識となり無意識に
人と合わせる行動を取っている可能性が高い。

ビジネスシーンでも実生活に於いても、何かしら決断をしなければ先に
進めない場面に出くわす。

意思決定を人に委ねるのは楽な行為で、楽な所に引きずられるのは
人の性ではないだろうか。
物や人に同調(同期)出来れば、動くことが楽になる。
動くには、無意識と意識して動くパターンが有る。
同調して動く行為は、潜在意識。
意識して動き出すには、意思決定が必要となる。
ゴルフPlay自体は、他者に同調する必要はなく意思決定は
ゴルファー自身がしなければ先に進めない。

意思決定=タイミングであり、ゴルフPlayに必要とされる最大のポイント。

ゴルフPlayに必要となるタイミング(意思決定)は、5箇所ある。
1.使用するゴルフクラブを決める。
2.目標に向けている身体の向きをボールに向ける。
3.スイング動作に入る。(初動)
4.バックスイングからフォワードスイングに切り返す。
5.目線をボールから目標方向に向ける。

以上に上げた5項目を意識的なのか、無意識なのか?!
ゴルファーのスコアに大きく左右することが理解できるだろうか。

この項目の中には、インパクトのタイミングが入っていない。
なぜ?!と思われるかもしれないが、インパクトで何かしら
意識が介入すればボールストライキングは良くならない。

ボールストライキングだけでなく、スピードが減速し
飛距離に多大な影響を及ぼす。

優れたゴルファーは、迷いがなく意思決定が早く、忘れるのも早い。

ランガー選手のPlayには、随所にタイミングの良さが見て取れ
それが、シン選手との差になって現れていた。

ランガー選手は、体躯に恵まれていない。柔軟性も高くはないだろう。
その証拠に、バックスイング時に顎の向きが変わる。
顎の向きを変えることにより、切り返しまでのタイミングを長く保つ
方法を取り入れ、それにより飛距離不足を補っている。

一般ゴルファーは、この解釈を間違えて飛距離不足に陥る場合が多い。
ドライバーは飛距離が出るクラブだから、他のクラブより飛ばなければ
間違いとの思い込みから、助走を長くしてしまう。

助走を長くするというのは、切り返しのタイミングを遅らせることで
遅らせることにより、インパクトで減速してしまう罠に陥る。

一般的なレッスンでは肩の回転を大きく、股関節を深く入れてと常套文句
として用いられるが、それが悲劇を招く。

飛距離不足の原因はゴルフクラブの使い方が間違っているのであって
身体の使い方が間違っている訳ではない。
速筋の割合が少なければ、何をどうあがいても動作を速くすることが
出来ないのだから、クラブを利用するしか無い。

飛距離に関わるクラブの部分はシャフトであって、シャフトを利用すること
が出来れば、ゴルファーの持つ最大飛距離を出すことが可能となる。
シャフトのしなりを利用する訳だが、写真などでもあるようにインパクト前
に逆方向にしならせることでヘッドが加速する。

それには、切り返しのタイミングをどこにするのか、グリップエンドを
速く動かすにはどのような動作をすれば良いのか考える必要がある。

シン選手のように体躯に恵まれ、柔軟性があり恐らく速筋の割合が
多いゴルファーであれば、切り返しなど考えず目一杯助走し
スイングすれば最大飛距離を得られるであろう。

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